サレジオ教会で有名な碑文谷の住宅街の中にある小さな公園、それがすずめのお宿である。竹林と古民家とちょっとした遊具から構成されるこの公園は、ひっそりとして時間が止まっている感じがする。もともとこのあたりは、たけのこ栽培が盛んな竹林がひろがる地域だったが、周辺が次々と開発された結果、今ではこの公園のみが当時の面影を伝えているという。確かにこのあたりでこれだけの竹林を見ることは出来ないので、これだけでも一見の価値がある。この竹林は無数のすずめのねぐらになっていて、付近の人々は「すずめのお宿」と呼んでいたのが公園名の由来とのことだ。
まずは竹林内の散策である。散策路も整備されていて、一歩足を踏み入れると鎌倉あたりにいるような錯覚に陥る。陽の光が遮られた空間は、昼間でも薄暗く木漏れ日が幻想的だ。夏の時期でもどことなくひんやりとしていてベリーも活き活きしだすから面白い。独特の匂いも発しているのだろう、犬の嗅覚もフルに働きだす。
北端にある古民家を経て、半円を描くような散策路を抜けると、中央広場に出る。早朝や夕方にはご近所の犬連れの常連さんたちが集う空間である。広場といってもこじんまりとしていて思い切り運動させるというわけにはいかない。犬同士の挨拶ぐらいで留めておくのがここでのスタイルである。この公園の主目的はあくまで竹林散策に置くべきだということである。
公園南側にあるこじんまりとした遊具コーナーでは子供たちの嬌声が聞こえてくる。子供たちに頭を撫でてもらうこともここでのベリーの楽しみの一つである。
この公園から少し足を伸ばせば碑文谷八幡がある。この参道から立会道路沿い目黒線西小山駅方向に桜並木が続くので桜の季節は特にお勧めである。
2003-12-30
東京都目黒区碑文谷3-11-22
クルマ:環状七号線内回り平町1交差点を左折。この公園には駐車場がないので、ダイエー碑文谷店の駐車場を利用するかパーキングを利用する。